本ができるまで

  • 1.断裁(だんさい)

    製本に入る前の印刷がなされた紙(刷本:すりほん)を次の工程となる紙折機で動かせるように、印刷面や紙の最大寸法を計算して断裁し、余白を切り落とします。
    並製本に使用されるソフトカバーの表紙や上製本に使われる見返し、カバーや帯といったすべての用紙もここで断裁して準備をしておきます。 この後の全工程につながる作業であり、工程間の連携がもっとも重要になる部署です。

    断裁(だんさい)
  • 2.紙折(かみおり)

    断裁された刷本を仕様に合わせて二つ折り、三つ折り、四つ折り等に折りたたみ、「折丁(おりちょう)」という形に仕上げます。
    刷本は折られたときどこがどういう箇所になるかを計算されて最初から印刷されています。 一枚の紙は表裏2ページですが、これを半分に折ると4ページ分となり、さらに半分に折ると合計8ページ分が折られて重なった状態になります。
    紙が折られた袋状の部分は最終的に切り落とされ、各ページが背で繋がる通常の本の状態に仕上げられます。
    ベタ印刷など色の濃い印刷物は、他の刷本に色移りしやすいので慎重に作業を行います。

    紙折(かみおり)
  • 3.丁合(ちょうあい)

    ひとつの折丁は多く折る場合でも32ページ程度なので、一冊の本を作るときは複数の折丁を並べて重ねることになります。
    丁合機という機械の台に折丁の束がセットされ、1冊分づつ横にスライドしていきながら正しい順番でひとつずつ折丁を重ねていきます。 ページが抜け落ちる「落丁」や、重複がある「増丁」を防ぐため厚み検知器や画像検知器が設置されています。
    ほとんどすべての本はこの工程を通り、ソフトカバーの並製本については直結したラインで表紙づけから断裁仕上げまでが行われます。

    丁合(ちょうあい)
  • 4.糸綴(いととじ)

    丁合の工程が終わって一冊の本の単位となった折丁の束を、糸で縫い綴じてまとめます。糸綴じされた本は頑丈で耐久性があり、 長期保存や大きく重さのある本に向いたつくりになります。糸綴じせず背中を糊で止める製本法もあり、用途や紙質、デザインなど様々な要素を考慮して使い分けます。

    糸綴(いととじ)

ここから上製と並製のラインに分かれます。

上製ライン工程

  • 糸綴でまとめた本や糊で仮固めした本を、「丸背」や「角背」といった形に整え、ハードカバーの表紙やビニールの表紙でくるむ工程です。
    並製本より強度があり、生産工程に手がかかっているため高価でしっかりした本が多いのも特徴です。主に辞書、記念誌、医学書や論文などになります。
    「スピン(栞紐)」や装飾となる「花布」がつき、「ニカワ」という糊で背中を固め、「寒令紗(かんれいしゃ)」や「地券紙(ちけんし)」など、耐久性に優れた紙などを背中に貼って補強します。 表紙の取り付け方にタイトバック、フレキシブルバック、ホローバックの3様式があります。

    タイトバック

    本文(中身)の背と表紙の背紙に厚紙を貼って、固く糊付けしてくるんだもの。
    表紙の背に中身が接着されているので丈夫ではありますが、開き具合は固いです。

    フレキシブルバック

    本文(中身)の背に薄紙を貼って、表紙の背に直接密着させたもの。
    開くと中身と表紙の背が一緒に曲がります。

    ホローバック

    一般的に行われているくるみ方です。
    本を開くと、背と表紙が離れていて余裕があるのでめいっぱい本を開くことができます。
    開閉が簡単にできるといった優れた機能をもつ様式で、辞書や手帳などの厚手のものから、絵本などの薄い本にも対応しています。

    上製ライン工程1 上製ライン工程2 上製ライン工程3

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並製ライン工程

  • 本文(中身)の背にあたる部分に熱で溶ける「ホットメルト」という糊をつけ、表紙と合体させる工程です。
    紙折で「アジロ折」がしてある場合は紙の折り目に糊穴が空いているので、糊を押し込む形で糊付けをします。 穴が空いていない場合は、本の背中になる袋部分を2~3mmカットし、各ページをバラバラの状態にしてから糊付けを行います。 糊で本文が表紙の背中にくっつき、合体します。
    直結する自動ラインで断裁までを行い、背表紙以外の三辺を切り落として仕上げます。これを「三方断裁」と言います。 主に雑誌類、冊子、説明書や文庫本など日常的に手軽に見られる本になります。

    生産量と生産速度

    ラインを最大限に稼働させると1時間あたり1万冊の大量生産が可能となります。 本のサイズや厚さの認識も自動化されているので、セットが早く効率の良い生産体制を整えています。

    設備と人による検査体制

    落丁や増丁を防ぐため、ウェィトチェッカーと呼ばれる装置がグラム単位で重さを量り分別したり、 ベテランの検査員が目視による検品や抜き取り検査を何度も行うなど、機械による検査と人の目と手による検査を両方合わせて入念な品質管理を行っています。


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  • 6.後作業

    本にカバー・腰帯・スリップ(売上カード等)・投げ込み(ハガキ・しおり・パンフレット等)といった付属品を装着する工程です。
    この作業は、上製本・並製本両方の製本方法に対応しています。
    ベテランの検査員ができ上がってきた本を入念に検品し、トライオートという機械で自動で各種装備品を装着します。 この機械は一工程で最大5種類までを装着することができます。
    仕様どおりの装備品が付いていることを検査員が再度確認し、自動包装機でクラフト包装して発送に移ります。